新燃岳の膨張示す地殻変動続く マグマの供給継続か

 噴火が続く霧島連山・新燃岳(宮崎・鹿児島県)でこの1カ月間、山体の膨張を示すとみられる小規模な地殻変動が続いていることが8日、国土地理院の衛星利用測位システム(GPS)観測で分かった。
 新燃岳の火口の北西約10キロの地下にマグマだまりがあるとみられている。地理院は「地下からマグマの供給が継続、もしくは再開した可能性がある」としたが、直ちに大量の火山灰などを放出する噴火につながるものではないとみている。
 地理院によると、2月1日以降、新燃岳火口の北約15キロにあるGPS観測点「えびの」と、南西約14キロの「牧園」の間隔が、4ミリ前後伸びた。
 新燃岳では、一連の噴火が始まる前の約1年間に、地下深部からマグマが移動して山体が膨張したのを反映し、GPS観測点の間隔が約4センチ広がる地殻変動がみられたが、今回の地殻変動も同様の動きとみられる。1月26日の噴火の直後は、山体の収縮を示す地殻変動が観測されていた。
 この1カ月間に供給された可能性があるマグマの量は「変化がごくわずかのため、推定が困難」としている。