大震災、死亡・不明5900人 55万人避難所に

 東日本大震災の死者・行方不明者は14日午後、約5900人となった。避難所に身を寄せた人は約55万人に膨らみ、水や食料の不足も深刻化している。自治体が安否を把握できない住民は3万人以上で、確認を急いでいる。
 東京電力は14日午後5時ごろから茨城、千葉、山梨、静岡各県の一部で約1時間半の計画停電を実施。11人死亡の千葉県旭市でも3避難所が停電した。
 15日午前0時現在の警察庁のまとめでは、死者1897人、行方不明者3002人。宮城県警によると、牡鹿半島の複数の浜辺で計約千人の遺体が見つかった。これらを合わせると死亡・不明が約5900人となる。岩手県は警察発表よりも約160人多い795人の遺体を自衛隊が収容したとしている。宮城県によると、南三陸町の捜査でも約千人の遺体が発見されたという。
 警察庁などによると、避難は東北太平洋側と茨城、栃木の6県で、宮城県33万人、福島県13万人、茨城県6万人弱など。避難先は約2600カ所。宮城県によると孤立した人たちの救助が進み、避難所に入る人も増加している。受け入れが限界に達し、隣接自治体への移動が検討されている避難所もある。
 気象庁は16日に東北で雪や雨が降り、18日まで朝晩の冷え込みも続くと発表。健康管理に注意するよう呼び掛けた。
 共同通信の取材や被災自治体によると、3万人以上の住民と連絡が取れていない。多くの自治体が不明者多数としている。岩手県は、宮古市と陸前高田市で計3千人弱と連絡が取れていないことを明らかにした。
 余震も続き、気象庁によると、14日午前10時過ぎ、茨城県で震度5弱を観測。午後にも宮城県や福島県、長野県で最大震度4を記録する地震が計4回あった。
 総務省消防庁によると、14日午後11時現在、全壊や半壊、一部破損した建物は計7万2945棟となった。
 (写真は、宮城県気仙沼市で湾からあふれて市街地に押し寄せる津波。下方には逃げる人の姿が見える=11日午後3時29分)