東北で震度7、死者千人超 大津波、福島原発に緊急事態

 11日午後2時46分ごろ、国内観測史上最大のマグニチュード(Ⅿ)8.8の地震があった。震源は三陸沖で、宮城県栗原市で震度7を記録した。北海道から九州・沖縄にかけて最大10メートルの津波が発生。防衛省によると、福島県南相馬市の約1800世帯が壊滅状態で、死者は千人を超すとみられる。多数のけが人も出ている。各地で家屋が倒壊したり、流されたりした。  警察庁の12日午前1時現在のまとめでは、死者133人、行方不明530人。  政府は陸海空の自衛隊を災害派遣、警察広域緊急援助隊も最大限派遣する方針。  福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)は自動停止、炉の一つが冷却できない状態となり、政府は初の原子力緊急事態宣言を出した。放射能漏れは確認されていないが、半径3キロ以内の住民に避難を指示した。  東北を中心に北海道から九州にかけて震度6強から1を観測した。震源地は宮城県・牡鹿半島の東南東130キロ付近で、震源の深さは約24キロ。午後3時15分ごろには茨城県沖を震源地とするⅯ7.4の地震があり茨城県鉾田で震度6弱。その後も三陸沖や茨城県沖などを震源とする強い揺れを伴う余震が続いた。  宮城県警によると、仙台市の仙台新港では高さ約10メートルの津波が確認された。気象庁は福島県相馬市で7.3メートル、岩手県釜石市では4.1メートルの津波を観測した。気象庁は北海道から沖縄県の太平洋側に大津波警報や津波警報を発表した。  宮城県気仙沼市の県立気仙沼向洋高は建物4階まで浸水。同県名取市や石巻市の海岸沿いでは多数の家屋が津波に流され、多くの行方不明者がいるもよう。同県東松島市の航空自衛隊松島基地は全域が水没した。福島県相馬市では沿岸から約5キロまで津波が押し寄せた。岩手県釜石市では乗用車数十台と多くの漁船や建物が流された。  気仙沼市の市街地では大規模な火災が発生、小学校などが全焼した。仙台市や千葉県市原市では液化石油ガス(LPG)タンクが燃えた。  ライフラインも寸断。東北や関東地方などで計約855万戸が停電した。仙台市では約36万戸へのガス供給がストップ。携帯電話や加入電話も東日本の広い地域でつながりにくくなった。