死亡・不明、1万人を超す 関東大震災以来の惨禍に

 東日本大震災は15日午後8時の警察庁のまとめで、死亡は12都同県の3373人、行方不明は6746人で計1万119人となった。地震や津波による死亡、行方不明が1万人を超えたのは1923年の関東大震災以来。  被災地では92時間ぶりに女性が救出されるなど、これまでに約2万5千人が助け出された。依然として連絡が取れない安否不明の住民は数万人に上っている。  警察庁によると、死亡は宮城県1619人、岩手県1193人、福島県506人など。行方不明は岩手県3318人、福島県2200人、宮城県1219人。津波で壊滅的な被害が出た沿岸部で多数の遺体が見つかっており、死者数はさらに増える見通し。  自衛隊や警察は約8万人態勢で救出活動を続けている。津波のため町民のほぼ半数、8千人の安否が分かっていない岩手県大槌町では、大阪市消防局の隊員らが発生から92時間ぶりに民家から70代の女性を救出した。宮城県では約1万人が安否不明になっていた南三陸町で約2千人の無事を確認した。  東北地方は15日夕から寒気が入り込み、16日から真冬並みの寒さとなる見込み。約53万人が7県、2600ケ所以上の避難所で生活をしているが、食料や毛布が十分に行き渡っていない。政府は食パン42万食、即席ラーメン10万食、毛布12万枚を各地に運ぶなど救援物資の輸送を急いでいる。  震度4を超える強い余震は減ってきているが、気象庁は「活動が活発で、引き続き警戒は必要」と注意を呼び掛けている。