静岡地震、大震災が影響か 東海地震との関連は否定

 政府の地震調査委員会は16日、静岡県東部の富士宮市で震度6強を観測した15日の地震について「東日本大震災による地殻変動が影響した可能性が否定できない」とする評価結果を公表した。  一方で東海地域に設置したひずみ計には地震後も、想定される東海地震に結びつくような異常な地殻変動は観測されておらず、阿部委員長は「東海地震との関連性は見当たらない」との見方を示した。  調査委によると、11日の東日本大震災で水平方向に4メートル以上の地殻変動が発生。おおむね東西方向に伸長し、南北方向に圧縮するひずみが地殻の広範囲に生じ、阿部委員長は「これが静岡県東部の地震に影響を与えた可能性がある」とした。  阿部委員長は「巨大な海溝型の地震の前後で被害が出るような内陸型の地震が発生するのはよく知られている」と指摘。関連は断定できていないとしながらも、海溝型の東南海地震(1944年)や南海地震(46年)の前後にも、大きな被害を出した鳥取地震(43年)、三河地震(45年)、福井地震(48年)があったとして注意を促した。