東日本大震災の死者9811人に 原発事故、捜索阻む

 東日本大震災の死者は警察庁の24日午後9時現在のまとめで9811人に上り、家族が警察に届けた行方不明は1万7541人で、計2万7352人。1都15県の約1900ケ所の避難所で約25万人が生活している。  被害の大きい東北3県の死者は宮城5889人、岩手3025人、福島839人。福島県の死者判明数が宮城、岩手両県より少ないのは、福島第1原発から30キロ圏内が避難指示や屋内退避の対象となり、捜索活動が難航しているためとみられる。自衛隊関係者は「実際は多くの遺体が未発見のまま放置されている可能性がある」としている。 <震度5強以上20%で変わらず 気象庁、余震いまだ活発>  気象庁は24日、東日本大震災に伴う震度5強以上の余震が3日以内に発生する確率は、20%と発表した。27日から3日以内でも20%で、いずれも23日発表と変わらない数値。  23~25日の3日間に、マグニチュード(Ⅿ)5以上の余震が起きる回数は10~20回、多い場合で40回程度と予想。気象庁は「余震はいまだ活発。場合によっては震度6弱から6強の恐れもあり、津波の可能性もある」としている。  24日正午までに起きたⅯ5以上の余震は347回で、Ⅿ7以上が3回、Ⅿ6以上が59回。有感(震度1以上)の余震は、20日が90回、21日は79回だったが、22日は92回、23日は3回の震度5強を含む100回と、ここ数日はやや増加している。  24日午後、宮城県で震度5弱となる地震があった。一方、気象庁は茨城県で5弱となった24日朝の地震は大震災の余震ではないと判断した。 <津波波源域は550キロ 日本最大級と気象研>  東日本大震災で津波の発生源の領域を指す「津波波源域」について、気象研究所は24日、岩手県沖から茨城県沖に及ぶ南北約550キロ、幅約200キロと推定した解析結果を発表した。  2004年12月にインド洋で巨大津波が発生した「スマトラ沖地震」の津波波源域は、東日本大震災より大きく、長さ約1300キロ、幅約100キロと推定されている。今回は日本近海では最大級とみられる。  気象研究所は北海道から関東地方にかけた太平洋岸や沖合にある19ケ所の津波観測点で得られた津波の到達時間から津波波源域を解析した。 <被災の東北、26日にかけ積雪も 低温、健康に注意を>  気象庁は24日、冬型の気圧配置が強まるため、東日本大震災の被災地の東北では26日にかけ雪や雨が降り、太平洋側でも積もる恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。北西の強い風も吹くとみられる。  さらに28日まで2月下旬並みの寒さが続き朝晩は冷えこむとして、体調管理にも注意が必要としている。  同庁によると、25日夜、関東の東海上に発生した低気圧が北上し、26日朝に三陸沖に達する見通し。26日は、陸上でも最大風速15メートル近い強風が吹くとみられる。  27日からは晴れる日が多くなるが、空気が乾燥するため、避難所では暖房用などの火の取り扱いに注意が必要という。  神田豊主任予報官は「天気が回復しても、晴れて地表の熱が奪われる『放射冷却現象』などで、最低気温は氷点下に近い日が続く。昼間の気温との差も大きくなるので、健康管理には十分注意してほしい」と述べた。