宮城、1万人連絡なし 大津波「壊滅的被害」

 東日本大震災は12日午後に入っても被害者が増え続けた。宮城県によると、南三陸町では住民約1万7600人のうち約1万人と連絡が取れず、安否確認を急いでいる。各警察本部のまとめで死者は687人、行方不明者は641人に上った(午後11時現在の警察庁まとめでは死者686人)。  ほかにも警察庁によると仙台市で200~300人の遺体が見つかり、宮城県警は岩沼市と名取市の体育館に計約200人の遺体が運ばれたとしており、死者・行方不明合わせて1800人を上回る見通し。  大津波で壊滅的な被害が出た東北と茨城の太平洋岸は状況の把握が難航しており、死者・行方不明者数は今後大幅に増えるとみられる。  警察庁によると、岩手県陸前高田市は市街地の約5千世帯が水没し、仙台市若林区荒浜では住宅約2700世帯が流された。陸前高田市によると、住民約2万3千人のうち約5900人の市内への避難を確認した。  岩手、福島など5県で21万数千人が避難。炉心が一部溶融した福島第1原発と冷却機能を喪失した第2原発の周辺住民約8万人が避難を始め、避難者は計約30万人に上った。官邸は避難指示を第1原発で半径20キロ以内、第2原発で10キロ以内に拡大、人数はさらに増えるとみられる。  被災地では集落や建物の孤立が続出。政府は5万人規模の自衛隊投入を表明、救助や支援活動に当たっている。  上越、長野新幹線は運転再開したが、東北、山形、秋田新幹線は復旧のめどが立っていない。  気象庁は、北海道と東北の太平洋岸や茨城、和歌山、高知各県に出していた大津波警報を津波警報や注意報に切り替えた。大津波警報が出ている地域はなくなった。