大震災6日目、なお42万人避難 死亡・不明1万2千人超

 東日本大震災は16日午後、発生から丸5日間が経過した。電気などの復旧が徐々に進み、最大で55万人を超えた避難者の中には自宅に戻る人もいるが、警察庁の集計では、なお約42万人が避難所に身を寄せている。死亡・行方不明は17日午前0時現在の警察庁まとめで1万2920人。また宮城県石巻市の亀山紘市長は同市の行方不明者について「最終的に1万人程度になるのではないか」と述べた。
 避難先は8県で2200ケ所以上。福島第1原発事故の影響で、福島県から隣接県への避難が増えている。新潟、山形県などによると、県外から計約5千人の避難が確認された。うち新潟県は約2700人。ほとんどが福島県からとみられる。
 警察庁によると、死者は宮城や岩手など12都道県で4314人、行方不明者は岩手や福島など6県で8606人となっている。
<福島で津波15メートル以上か 建築研究所など解析>
 東日本大震災で、福島県相馬市を襲った津波は、沿岸部で高さ15メートル以上に上った可能性があることが16日、建築研究所国際地震工学センターの藤井雄士郎主任研究員と、東大地震研究所の佐竹健治教授によるコンピューター解析で分かった。
 岩手、宮城両県の沿岸各地点でも「5~15メートル程度」との結果が出た。
 気象庁の検潮所での観測データは、相馬で「7.3メートル以上」が最大。津波で観測装置が破壊され、それ以上の記録が残らなかった可能性がある。
 解析には、米海洋大気局(NOAA)が太平洋に設置している海底津波計など計30地点のデータを使用。牡鹿半島沖で南北約300キロ、東西約150キロの領域で断層が最大27メートル動いたとみられ、推定マグニチュードは8.9。
 この断層運動やマグニチュードに基づき、検潮所がある地点ごとにシュミレーションしたところ、津波の高さは▽相馬15メートル以上▽大船渡(岩手県)15メートル程度▽釜石(岩手県)と鮎川(宮城県石巻市)10メートル程度▽宮古(岩手県)と小名浜(福島県いわき市)5メートル程度との結果が出た。