気象庁、これほどの地震は想定外 余震1ケ月、Ⅿ7級も

 国内観測史上最大のマグニチュード(Ⅿ)8.8の東北・関東大地震について気象庁は11日、記者会見し「三陸沖でこれほどの地震が起こるとは想定していなかった」とした上で「余震もⅯ7を超え、震度6弱程度、津波が警戒されるような地震が起こる可能性があり、1ケ月程度は注意が必要」と述べた。
 また、地震の影響で岩手から山梨にかけての1都8県、計49ケ所の観測点で震度などの計測が不可能になっていることを明らかにした。
 横山博文地震津波監視課長は「破壊された断層の長さは、岩手県沖から福島県沖にかけて南北約400キロ、東西約200キロに及ぶとみられる」との見解を示した。
 横山課長によると、今回の地震のマグニチュードは、日本で近代的な地震観測が始まった1923年以降で最大。それより前の記録が残る「歴史地震」でも、江戸時代に東海~南海地震の震源域で起きた1707年の「宝永地震」が8.6~8.7とみられ、これを含めても国内最大級という。

<東北地方太平洋沖地震  気象庁が命名>
 気象庁は11日、三陸沖を震源とするマグニチュード(Ⅿ)8.8の地震を「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」と命名した。

<東海地方でも避難相次ぐ 交通にも乱れ>
 東北・関東大地震が発生した11日午後、東海地方でも沿岸部の市町で避難指示や勧告が出されたほか、交通機関にも乱れが出た。
 三重県によると、午後8時現在、志摩市や南伊勢町など5市町に避難指示、13市町に勧告が出され、計約1900人が小学校などに避難した。
 静岡県では午後4時8分に大津波警報が発令されたのに伴い、富士市の沿岸部に避難を指示、静岡市や浜松市など18市町に避難が勧告され、午後6時までに約6千人が避難。御殿場市で2人がけがをした。
 愛知県でも名古屋市、蒲郡市、東浦町、豊橋市の一部で避難を勧告。
 交通機関では、JRの在来線で運転見合わせが相次ぎ、東名高速道路の富士~清水の上下線が通行止めとなった。
 三重県南伊勢町の五ケ所湾で真珠やカキの養殖用とみられるいかだが多数流された。静岡県で運転中の浜岡原発4、5号機に影響はなかった。