太平洋一帯に津波到達 50の国・地域に警報観測

 11日に起きた東北・関東大地震による津波は、北方領土や米ハワイ、フィリピン、インドネシアなど日本から遠く離れた太平洋沿岸一帯の各国に到達した。太平洋津波警報センター(ハワイ)は、ロシアやニュージーランド、南米チリなど約50の太平洋沿岸諸国・地域(各国領土含む)に津波警報を発令。津波の到達を警戒し、各地で多くの住民が避難した。
 インタファクス通信などによると、北方領土の色丹島で最大3メートル、択捉、国後両島で約2メートルの津波が観測されたが、被害情報は入っていない。ロシア気象当局は北方領土を含む千島列島(クリール諸島)に津波警報を発令。ロシア非常事態省は千島列島で約1万1千人が避難したとしている。
 米ハワイ州では11日午前4時(日本時間午後11時)前、高さ約60センチの津波が到達。津波警報を受け、海岸付近の観光客や住民に避難が呼び掛けられ、ホノルル市内ではサイレンがけたたましく響くなど騒然となった。
 米アラスカ州のアリューシャン列島では約1.5メートルの津波が観測された。米西海岸のほぼ全域にも警報が出され、カリフォルニア州デルノルト郡とサンマテオ郡の住民も避難した。