安否不明は数万人規模 宮城県は犠牲者「万単位」

 東日本大震災の津波で水没するなど壊滅的な被害を受けた市町村で、連絡が取れず安否不明の住民が数万人に上っていることが13日、岩手、宮城両県などへの取材で分かった。被害は深刻さを増し、各県や県警本部が全容の把握を急いでいる。警察が確認した死者・行方不明者は3200人を超え、宮城県警の竹内直人本部長は県内だけでも死者が「万人単位に及ぶことは間違いない」と述べた。
 気象庁はマグニチュード(Ⅿ)をこれまでの8.8から世界最大級の9.0に修正。警察庁などによると、避難者は45万人を超えた。福島第1原発は1号機に続き3号機でも燃料の一部が溶ける「炉心溶融」が起きているとみられ、東京電力は国に「緊急事態」の報告をした。東電は14日から管内9都県で計画停電を実施する。
 宮城県内では南三陸町と東松島市でそれぞれ約1万人と連絡が取れていない。岩手県内は陸前高田市で約5千戸が水没し、約7200戸ある山田町もほぼ全域水没。大槌町は中心部が水没、町役場が流された。福島県では1192人の安否が不明となっている。
 警察庁の14日午前0時現在のまとめでは、死者は1597人、行方不明者は1481人。ほかに仙台市内で200~300人の遺体が発見されている。
 一方、津波で家ごと流された福島県南相馬市の男性(60)が13日午前、福島県沖約15キロの洋上で、自衛隊の船に救助された。
 宮城県と陸上自衛隊によると、宮城県内では病院や小学校などで一時1万人以上が孤立した。
 被災地は余震が続いた。気象庁は東北の太平洋沿岸に出していた津波注意報を全面解除したが、3日以内にⅯ7以上、最大震度6の余震が発生する確率は70%と発表した。
 警察庁などによると、震災の建物崩壊や津波などによる避難は、宮城、岩手など6県で45万人以上。政府は、激甚災害指定を行う政令を12日に閣議決定したと発表。自衛隊の災害派遣を10万人態勢とする。