台風15号、震災被災地も直撃 列島縦断、7人死亡、6人不明

 非常に強い台風15号は近畿や東海を風速25メートル以上の暴風域に巻き込み、21日午後2時ごろ、浜松市付近に上陸した。暴風域を維持したまま首都圏や東日本大震災の被災地・東北を直撃、日本列島を縦断する見通し。気象庁は暴風や大雨に最大級の警戒を呼び掛けた。
 共同通信の午後9時現在のまとめでは神奈川、岐阜、愛知、愛媛、長崎、佐賀の6県で7人が死亡。山梨、静岡、岐阜の3県で川に流されるなどして6人が行方不明となった。
 大震災の被災地、岩手県大槌町の仮設住宅の住民にも避難指示が出た。福島県須賀川市でも仮設住宅で床上浸水。両県の避難指示の対象者は約6万9千人に上った。
<豊橋で避難指示1万2千人 名古屋では9人死傷>
 台風15号の影響で愛知県では21日、河川が氾濫するなどして避難指示や勧告が相次いだ。名古屋市内では死者2人、重軽傷者7人に上った。
 豊橋市は同日午後、市内を流れる豊川が氾濫する恐れがあるとして、約4千世帯の約1万2千人に避難指示。佐奈川でも河口付近が氾濫、約1400世帯の約4千人に避難勧告を出した。
 豊田市では巴川が氾濫し、午後2時すぎ、周辺住民に避難勧告をした。
 岡崎市は土砂災害の恐れがあるとして、山間部の約520世帯に避難勧告。乙川の水位が上がっているため、流域約3400世帯の約9100人に避難勧告を出した。