西日本北上し日本海へ 台風12号、大雨に注意

  大型の台風12号は3日、高知県東部に上陸後、四国を北上して瀬戸内海を横断、午後6時ごろに岡山県南部に再上陸した。気象庁によると、やや勢力を弱めながら、4日は日本海を北寄りに進む見込み。
 鉄砲水で多くの行方不明者の出た奈良県十津川村では、風屋の地域気象観測システム(アメダス)で72時間雨量が観測史上最多の1070ミリに達した。同県上北山村で1400ミリ、和歌山県田辺市の本宮でも1070ミリを超え、これらも過去最多。3地点の9月の月間雨量平年値は280~410ミリ程度。徳島、高知、鳥取、三重各県でも800~900ミリ前後で、記録的雨量に達した所もある。
<台風で2人死亡、5人が不明 西日本で停電9万世帯>
 台風12号の影響で、奈良県と松山市で男女計2人が死亡したほか、和歌山、広島、徳島、鹿児島の4県で5人が行方不明となり、中部や近畿、中四国地方で少なくとも38人が骨折などの重軽傷を負った。河川氾濫による避難指示・勧告も出て、最大で2府15県の計約3200人が避難した。関西、中国、四国の各電力管内で9万世帯余りが停電、交通機関も運休や欠航が相次いだ。
 愛媛県西条市の5ケ所で土砂崩れなどのため道路が通行止めとなり、145世帯249人が孤立している。鳥取県湯梨浜町の東郷池で水があふれ、周辺地区の730世帯の約2千人を対象に避難勧告が出された。