最大余震になお警戒を 研究者らが指摘

 マグニチュード(Ⅿ)9.0の東日本大震災の余震は、1日までにⅯ5以上だけで380回を超えた。発生から3週間で活動がやや落ち着いてきたようにもみえるが、気象庁や地震学者は「本震から長期間たってから最大余震が起きるケースもある」と警戒を呼び掛けている。  
気象庁は、東北~関東沖を中心に一部陸地にかかる南北約600キロ、東西約350キロの範囲を余震発生域とみている。ただⅯ7以上は本震発生当日に3回あっただけ。一般的に最大余震は、本震よりマグニチュードが1小さい程度とされる。
 東大地震研究所の大木聖子助教は「今回のような海溝型の大地震は、本震で壊れなかった断層が時間をおいて破壊が進み最大余震が起きることがある」と指摘する。
 2004年のスマトラ沖地震(Ⅿ9.1)では、約3ケ月後にⅯ8.5の最大余震。2月のニュージーランド地震(Ⅿ6.3)は内陸地震で単純比較はできないが、昨年のⅯ7.0地震の約5ケ月後に発生した余震とみられるという。
 気象庁気象研究所の横田崇地震火山研究部長は、余震回数が多いと規模の大きい余震が発生する可能性も高いとし「Ⅿ8級のエネルギーが残ったような地域はみられないが、Ⅿ7級後半の余震の恐れは十分ある」と話す。一時、余震域南側の関東沖で活動が活発になったが、最近は東北沖で活発化しており「余震域のどこで起きても不思議はない」という。
 海洋研究開発機構は、大震災の原因断層の破壊は宮城県沖の震源を中心に南北に進んだが、南側は千葉県・房総沖のプレート境界付近で止まったとみている。ただ地震津波・防災研究プロジェクトの堀高峰研究員は「余震域が広がる可能性は否定できない。房総半島沖は江戸前期のⅯ8級地震以降、ひずみが蓄積している恐れがある」と警鐘を鳴らしている。