いわきで津波に負けず開花 桜前線みちのくへ

 津波被害に遭った福島県いわき市の旧小名浜測候所で9日、標本木の桜(ソメイヨシノ)が開花した。6輪開いているのを市民団体が確認した。昨年までの平年値より3日遅く、昨年より1日早い。東北で最も早い開花とみられ、桜前線が震災の爪痕が深いみちのくに入った。
 市民団体によると、同測候所は埠頭から約300メートルほど内陸にあるが、ソメイヨシノは少なくとも約30センチの高さまで波をかぶった。 同測候所は2008年、無人化されて小名浜特別地域気象測候所へ移行。目視による生物季節観測ができなくなったため、市民団体と測候所職員OBらが梅と桜の観測を引き継いでいる。