ゲリラ豪雨が被害拡大と気象庁 各地で土砂崩れ、土石流も

 広島県庄原市で記録的な豪雨が降り、土石流や河川のはんらんで行方不明者が出るなど、梅雨時の大雨により各地で被害が広がった。気象庁は、上空に流れ込んだ寒気と地表の暖かい湿った空気がせめぎ合って起きた「ゲリラ豪雨」が一因とみている。  東北と九州南部以外は17日に梅雨明けしたが、梅雨期間中の降水量は、那覇、徳島、山口、岐阜などで平年の2倍前後を記録するなど全国的に多かった。  気象庁によると、今年は日本の南海上にある太平洋高気圧の北への張り出しが弱かったために梅雨前線が西日本に停滞。南からの暖かく湿った空気が断続的に前線に流れ込んで、九州から中国地方で大雨となった。  さらに、被害を拡大したのは、各地で夕方から夜にかけて局地的に起きたゲリラ豪雨。日本付近を流れる偏西風の蛇行の影響で上層に大陸からの寒気が入りやすく、地表の暖かい空気とせめぎあって活発な雨雲が発達、豪雨が土砂崩れなどを引き起こした。  7月5日夜には東京・板橋区で1時間に107ミリの猛烈な雨を観測。広島県庄原市では、16日夕の3時間に173ミリの雨が降った。