九州南部や北日本で大雨 大気の状態が不安定

 梅雨前線などの影響で10日、九州南部や東北、北海道で1時間に30ミリ前後の強い雨が降った。気象レーダーなどによる解析では、秋田県北秋田市付近で1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、同県鹿角市の湯瀬で34.0ミリ、北海道の広尾で33.0ミリと、それぞれ7月として観測史上最多を記録した。  九州は12日にかけ大雨の恐れがあるとして、気象庁は警戒を呼び掛けた。  石川、富山両県で9日、東京都板橋区で5日、1時間に90~100ミリ前後の猛烈な雨となるなど、今年の梅雨は局地的大雨が降りやすい特徴があり、注意が必要という。  同庁によると、今の時期は通常、オホーツク海高気圧から地表付近に冷気が流れ込み「梅雨寒」となることがあるが、今年は同高気圧ができにくく、全国的に南からの暖かく湿った空気に覆われやすくなっている。そこへ上空の寒気が加わって大気の状態が不安定になり、局地的大雨が発生しているという。  こうした降り方は、豪雨災害が多い梅雨末期によくみられるが、気象庁の担当者は「今年は梅雨の初めから、末期のような降り方」としている。