九州南部や北陸で大雨 梅雨前線と低気圧で

 梅雨前線と低気圧の影響で9日、九州南部は午前中を中心に激しい雨となり、大気の状態が不安定となった北陸も夜、記録的な大雨を観測した。気象庁は、九州北部や東海、関東甲信、東北でも非常に激しい雨が降る恐れがあるとして、土砂災害や河川の増水などに警戒を呼び掛けた。
 九州北部は10日夜遅くから12日にかけて、局地的な激しい雷雨の恐れがある。それ以外の地域は10日朝にかけて、1時間に50ミリの大雨が予想され、雷や突風にも注意が必要という。
 9日、石川県七尾市や富山県氷見市付近で、気象レーダーなどによる解析では1時間に約90ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表。七尾で観測史上最多となる1時間に70.0ミリ、宮崎県小林市の野尻では7月として最多の56.5ミリの雨量を記録。和歌山県白浜町の日置川で54.0ミリ、鹿児島県・種子島で53.5ミリなど、非常に激しい雨が降った。
 同庁によると、梅雨前線が日本列島の南岸に延び、10日夜には九州北部を北上。さらに紀伊半島付近にある低気圧が東北東に進んでいる。南から暖かく湿った空気が流れ込んでいて、大気の状態が不安定になっている。