「南九州の火山が活発化」 新燃岳と桜島で爆発続く

 宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳が189年ぶりの本格的な噴火活動に入り、鹿児島県の桜島では今年に入ってからの爆発回数が早くも200回に近づくなど、南九州の火山が活発な噴火活動を見せている。専門家は「連動して活動期に入ったのでは」として、警戒を呼び掛けている。
 京大防災研究所火山活動研究センター(桜島)の井口正人准教授は「南九州はそもそも活動的な火山が多い。既にマグマを蓄えて噴火の準備段階にある火山が、他の火山の噴火に触発されて連動的に噴火している可能性はある」と指摘する。
 過去には、1914年に霧島連山・御鉢火口が噴火した4日後、桜島が大規模な噴火を始めた例がある。同じ日には口永良部島(鹿児島県屋久島町)、1~2ヵ月後には中之島と諏訪之瀬島(いずれも同県十島村)も噴火した。桜島の噴火は「大正噴火」と呼ばれ、流れ出た溶岩で大隅半島と陸続きになった。
 2008年8月に新燃岳が噴火した際も、06年6月に58年ぶりの噴火をしていた桜島の昭和火口(標高約800メートル)の爆発が急増。09年に年間548回、10年には同896回を観測した。10年の記録は過去最高。