新燃岳、噴煙2千メートルに 都城や高原で土石流確認されず

 霧島連山・新燃岳は5日午前、噴火活動が続き噴煙が上空2千メートルに達した。大量の火山灰が降る宮崎県都城市や高原町は、4日夜から降雨に伴う土石流などの発生を警戒したが、異常は確認されなかった。  鹿児島地方気象台によると、火口上空の風は5日朝まで宮崎県高原町側に吹いていたが、午後からは風向きが変わり、鹿児島県霧島市の方向へ噴煙が流れるとみられる。同日午後9時の風の予想は南へ風速3メートル。  一連の噴火活動では70センチ大の噴石が火口から3.2キロ地点で確認されたほか、直径4~6センチの噴石も約7キロ離れた場所まで飛んでおり、特に風下には噴石が飛散しやすいとして警戒を呼び掛けている。  宮崎地方気象台によると、新燃岳周辺で4日午後11時までの1時間に0.5ミリの雨を観測。宮崎県南部山沿いでは5日の日中は晴れの予報で、同気象台は「土石流の可能性は低い」としている。  高原町では4日夜、多くの職員が徹夜で土石流を警戒した。日高光浩町長は「心配していた雨量にならなかったのは幸いだ」と話した。都城市も危険が想定される2地区の避難所開設を準備した。  国土交通省九州地方整備局によると、2市町の計35カ所の渓流に1センチ以上の降灰があり、1時間4ミリの雨で土石流が発生する恐れがある。