新燃岳溶岩ドーム頂上部吹き飛ぶ 直径は600mに拡大

 一連の噴火活動で4回目の爆発的噴火が起きた霧島山・新燃岳について、鹿児島地方気象台は1日、火口内の溶岩ドームの頂上に近い部分が爆発で吹き飛んでいるのを確認した。ほぼ火口の縁に達していたドームの高さは、わずかに下がったという。  国土地理院は同日、火口を空撮した結果、溶岩ドームが直径約600メートルに拡大していたと明らかにした。  鹿児島県は、噴火に伴う空振で窓ガラスが割れるなどの被害が霧島市で焼く100件に上ったと発表。鹿児島地方気象台の聞き取り調査では、100キロ以上離れた宮崎県延岡市でも「窓が揺れた」などの報告があった。  新燃岳は1日午後も噴火を繰り返し、上空約3千メートルに達する噴煙を観測。午後11時19分には、5回目の爆発的噴火が発生し、噴煙は火口から2千メートル以上の高さに達した。霧島市は新燃岳寄りの地域の約20世帯に自主避難を呼び掛け、夜までに3世帯4人が避難した。  鹿児島地方気象台によると、4回目の爆発規模はそれまでの3回と比べ大きい。同気象台は4回目までの爆発的噴火について、いずれも地下から火口に通じる火道内で、火山ガスの圧力が高まって起きる「ブルカノ式噴火」との見解を示した。
 急成長した溶岩ドームが火口をふさぎ、火道内のガスの圧力が高まった可能性があるという。