新燃岳、3日連続の爆発的噴火 噴煙2500メートル

 宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421メートル)で3日午前8時9分、爆発的噴火が発生した。爆発は3日連続となり、1月26日以降の一連の噴火活動では9回目。噴火は継続し、午後0時17分には噴煙が火口の縁から上空2500メートルに達した。宮崎県高原町では数ミリの噴石が確認された。
 鹿児島地方気象台によると、3日朝の爆発では火口から南西3キロに設置された空振計で26パスカルを観測し、噴煙は1500メートルに達した。1日朝に空振で窓ガラスが割れる被害が出た4回目の爆発的噴火(458パスカル)と比べて規模は小さく、火口からの火砕流、大きな噴石は確認されていない。2日には3回の爆発的噴火が発生した。
<新燃岳「爆発的噴火、繰り返す」 予知連が見解>
 活発な噴火が続く霧島連山・新燃岳の活動について火山噴火予知連絡会は3日、拡大幹事会を開き、「当分の間、現在と同程度の爆発的な噴火を繰り返すと考えられる」とする見解をまとめた。噴火警戒レベルは「入山規制」の3を維持する。
 藤井会長は記者会見で「当分の間」との表現について「ここ1~2週間」と説明。一方、中・長期的な見通しは「300年前の(大規模)マグマ噴火を考えるとさらに続くかもしれないが、観測態勢をきちんとした上でないと見極めできない」と述べた。
 予知連によると、これまでの火山灰などの噴出物は、推計4千万~8千万トン。地殻変動の観測によると、地下のマグマ蓄積により2009年以降続いた山体の膨張が噴火後は収縮に転じた。ただ膨張前のレベルには戻っておらず、1月31日以降は収縮が停滞して爆発的噴火が続いており、地下からのマグマ供給が続いていると推定した。
 藤井会長は「火山灰が大量に蓄積しており、少しの雨でも土石流や泥流が起きやすい」と警戒を呼び掛けた。火砕流の危険性は「300年前の大噴火を参考にすれば、火口から3キロぐらいまで到達する可能性がある」とした。