ラニーニャ現象が継続 世界的猛暑の一因に

 気象庁は10日、南米ペルー沖の海面水温が下がり、異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が継続中とみられるとの監視速報を発表した。冬にかけて続くと予想している。  同庁は、1898年の統計開始以来、最も高温となった日本など、北半球中緯度帯の夏の猛暑はラニーニャが影響した可能性があると分析。  ラニーニャが発生すると、フィリピン周辺海域で海面水温が上昇し対流活動が活発化、太平洋高気圧の勢力を強める。春まで続いたエルニーニョ現象で暖められた大気にラニーニャの効果が加わり、厳しい暑さになったとみている。  海外では、ロシア西部が異常高温。ロシアのペンザでは8月3日に最高気温41度(平年約25度)、モスクワで4,6日に37度(平年約22度)を記録した。  ラニーニャ発生時の日本の秋は厳しい残暑など高温傾向の一方、冬は気温が低めになるとされる。2005~06年冬の豪雪はラニーニャが一因だった可能性があるという。