三陸沖M7.3 東日本大震災が誘発 「アウターライズ型」

最大震度5弱を観測した7日夕の三陸沖の地震について、東北大地震・噴火予知研究観測センターの海野徳仁教授(地震学)は「日本海溝の東側で起きるアウターライズ地震で、東日本大震災の本震に誘発されたと考えられる」と説明する。
 アウターライズ地震は、陸側プレート(岩板)に沈み込む太平洋プレート内部に、東西方向に引っ張り合う力が働くことで発生する正断層型の地震。
 震災では本震の39分後、今回の震源と近い場所でマグニチュード(M)7.5のアウターライズ地震が発生した。
  震源が日本から遠く、陸上で観測される揺れは比較的小さいという特徴がある。一方で断層の角度が垂直に近いほど、海底の上下変動が大きくなり、津波が巨大化する。被害拡大の恐れがあり、発生が注視されてきた。
  震災の本震では、宮城県沖の海溝付近でプレート境界が50メートル以上ずれた。その後、余効滑りと呼ばれるゆっくりとした地殻変動も続く。海野教授は「太平洋プレートが一気に沈み込んだ上、余効滑りの影響もあり、引っ張る力が生まれ続けている」と話す。
 震災本震のようなプレート境界型地震の後に、起こることが多いと考えられ、間隔が空く場合もある。
  今年4月にはスマトラ沖で、2004年のM9.1の地震の余震とみられるM8.6のアウターライズ地震が発生した。1933年の昭和三陸地震は、1896年の明治三陸地震の影響で起きたアウターライズ地震と指摘する研究者もいる。
  海野教授は「震災の余震活動は、しばらく活発な状態が続く。本震震源域の周辺の地震のほか、今回の震源の南北でアウターライズ地震が発生する可能性もある」と話している。