師走の嵐で被害相次ぐ 強風に大雨、気温も季節外れ

 発達した低気圧の影響で3日、強風や大雨の被害が相次ぎ、共同通信のまとめでは東京都と富山県で計3人が死亡、徳島県で1人が行方不明になった。南から暖かい空気が流れ込んだ太平洋側を中心に大気の状態が不安定となり、気温も季節外れに上昇。気象庁は、北日本と北陸を中心に4日にかけ非常に強い風が吹くとして引き続き警戒を呼び掛けた。  富山県射水市で、男性作業員2人が風にあおられ建設中の橋から転落し死亡。徳島県鳴門市沖では、漁船が転覆し所有者の男性が行方不明になった。東京都北区ではフェンスが倒れ、下敷きになった子どもを含む5人が負傷した。新潟市の高校で窓ガラスが強風で割れ生徒7人がけが。茨城県牛久市で竜巻とみられる突風により被害、千葉県鴨川市では船着き場に陸揚げした漁船約20隻が突風にあおられ横倒しになった。  午前中は、東京都千代田区のビル地下駐車場で、排水作業中の女性清掃作業員がマンホールに転落し死亡。  北海道倶知安で最大瞬間風速32.8メートル、金沢市で32.0メートル、岩手県宮古市で31.9メートル(12月観測史上最大)を観測した。 <名古屋で最高気温20度超える>  東海地方は3日、南から暖かい空気が流れ込んで日中の気温が上がり、各地で最高気温が20度以上となった。また発達した低気圧の影響で各地で強風が吹き荒れ、事故が起きたり12月としては異例の黄砂の観測もあった。  最高気温は三重・尾鷲22.2度、津20.3度、名古屋20.0度。12月に20度を超えるのは津では42年ぶり、名古屋では6年ぶり。  午後は気圧の谷が西から通過した影響で、各地で最大瞬間風速10~25メートルの突風が吹いた。津で午後3時半ごろに黄砂を観測した。  4日以降は、朝晩の冷え込みが厳しくなる見込み。   <東海から沖縄で黄砂  2年連続で異例の12月観測>   気象庁によると、東海から沖縄にかけての各地で3日、黄砂が観測された。各地に大雨や強風被害をもたらした低気圧に伴って飛来。黄砂は春に多いが、昨年も12月としては16年ぶりに国内で観測され、2年連続で異例の「師走の黄砂」となった。