台風17号、列島縦断 死者2人

  台風17号は1日、風速25メートル以上の暴風域を伴って速度を上げながら北上、東北から北海道に向かい日本列島を縦断した。強い勢力ではなくなり、暴風域も午前9時には消滅したが、気象庁は引き続き、暴風雨への警戒を呼び掛けた。
  三重県鈴鹿市の鈴鹿川付近で9月30日、妻が運転する車が流され、救助に向かい行方不明となった男性(56)が1日、遺体で発見。台風による死者は2人となった。
  北海道の襟裳岬で最大瞬間風速34・6メートルを観測。岩手県一関市で観測史上最多となる1時間に82・5ミリの猛烈な雨、宮城県栗原市では同65・0ミリ(10月観測史上最多)を記録した。

<8地点で潮位が過去最高 台風17号の高潮で>
  気象庁は1日、台風17号に伴う高潮で9月30日に神奈川、静岡、愛知、三重の4県の計8地点で過去最高の潮位を観測したと発表した。台風16号でも九州や沖縄などの計12地点で潮位が過去最高を記録している。
  原因について同庁海洋気象課は(1)台風による海面の吸い上げ効果(2)海水温が高いため膨張効果が加わった(3)9月30日は潮の満ち引きが大きい大潮で、台風接近と満潮時間が重なった―を挙げた。
  さらに、東海では静岡県を中心に平常より潮位が高い状態(異常潮位)になっていた。黒潮に起因する暖かい海水の流れ込みが原因とみられる。

<台風一過で真夏日も続々 42地点で10月最高気温>
  台風17号一過の日本列島は1日、東日本と北日本を中心に気温がぐんぐん上昇した。群馬県伊勢崎市の32・8度など42地点で気温が10月として観測史上最高(過去タイ含む)を記録した。
  最高気温30度以上の「真夏日」となったのは関東などの51地点。
  気象庁によると、台風が暖かい空気を運び込んだ上、北海道近海の台風に向かって南西風が吹き込んだ。さらに台風が通り過ぎて天気が回復し、太平洋側を中心に日射があったためという。