津波警報・注意報を全面解除 気象庁「不便かけた」

 南米チリの大地震=マグニチュード8.8=による日本の津波で、気象庁は1日午前3時過ぎ、高知県に出していた津波警報を注意報に切り替えた。さらに午前10時15分、東北太平洋側や同県などに出していた注意報も全面解除した。
 海上保安庁によると、岩手県の宮古港や大船渡港、宮城県の女川港などではカキやホタテの養殖用いかだなどが漂流。宮城県の仙台塩釜港では航路を示すブイが津波で流され船舶の安全が確保できない上、漁網なども漂流しているため船舶の入出港を禁止。石巻港でも、海上の貯木場から原木約30本が流出しているのが見つかり、巡視船などが撤去した。
 気象庁地震津波監視課の関田康雄課長は記者会見し、三陸沿岸に大津波警報(予想最大津波3メートル)を出したことなどについて「予測が過大だった。警報が長時間続いて避難が長引き、不便をかけたことをおわびしたい」と述べた。ただ「現時点で判断ミスがあったとは考えていない」とし、海外での津波観測データやさまざまなシュミレーション結果を検討し、最悪のケースを想定したと強調した。