エルニーニョ現象は終息へ 秋にラニーニャ発生か

 気象庁は11日、世界的な異常気象の原因となる「エルニーニョ現象」が春の間に終息する一方、秋には「ラニーニャ現象」が発生する可能性があるとの監視速報を発表した。  エルニーニョは、南米ペルー沖で海面水温が上がり、ラニーニャは逆に低くなる現象。  今春、日本列島で寒暖の差が大きく日照時間も短かったのは、エルニーニョによる南からの強い暖気と、北からの強い寒気とのせめぎ合いが一因とみられている。海外では4月、インドシナ半島やインド、マダガスカルの高温にエルニーニョが影響した可能性がある。  一方、2007年夏の日本列島の猛暑は、ラニーニャ現象の影響と指摘されている。同現象が発生すると日本の冬は、北海道や東北を除き気温が低くなる傾向があるという。  気象庁によると、ペルー沖の監視海域では、4月の平均海面水温が基準値(過去30年の平均)を0.6度上回った。3月はプラス0.7度。監視水域の海面水温は基準値に近づいた後、秋にかけては基準値を下回ると予測している。