ラニーニャで大雪・厳寒 週明けまた冬将軍猛威か 「大寒」迎えた列島

21日、二十四節気の「大寒」を迎えた日本列島。昨年末から断続的に流れ込む寒気の影響で、北海道を中心に局地的に記録的な積雪を観測するなど、厳しい寒さが続いている。同日朝、最も気温が低かったのは北海道旭川市の江丹別で氷点下28.4度、札幌市も同9.9度と冷え込んだ。
 気象庁によると、日本に厳冬をもたらすとされる「ラニーニャ現象」の影響により日本周辺で偏西風が南に蛇行、寒気が南下しやすくなった。全国で約150人が死亡した2005年12月~06年2月の「平成18年豪雪」時もラニーニャが発生していた。
 同庁は「現時点では、寒気の強さは平成18年豪雪に及ばない」としているが、週明けから2月上旬にかけて猛烈な寒気が中国大陸から流れ込み、日本海側は大雪の恐れがあるとして、「異常天候早期警戒情報」を発表している。
 今月、北海道新篠津村で213センチ(16日、平年68センチ)など道内3地点で観測史上最大積雪を記録。国内有数の豪雪地・青森市の酸ケ湯でも16日、平年の約1.7倍の391センチと1月としては歴代1位の積雪となった。
 1月1~17日の平均気温は北日本で平年を1.1度、東日本で0.9度、西日本で0.8度、沖縄・奄美は0.2度下回っている。
 ラニーニャは、太平洋赤道海域東側の南米ペルー沖で海面水温が低くなる現象。西側のインドネシア近海は逆に海面水温が上がり大気の対流活動が活発化。そこから吹き出す空気が偏西風を日本付近で南に蛇行させたとみられる。
 昨年末は、亜熱帯域を流れる偏西風が蛇行し西日本を中心に「クリスマス寒波」が襲来。年明け後は列島の北を流れる別の偏西風の蛇行が強まり、北日本に寒気が入った。特に今月、北日本に流入した寒気は、上空5千メートル付近で氷点下44度以下という「スーパー寒気」だったという。