全国各地で黄砂観測 東京、秋は初めて

 西日本を中心に12日朝、黄砂が観測され、同日夕までに東京や福島でも確認された。13日にかけて東北北部や北海道にも広がる見通し。  気象庁によると、黄砂は春先が多く、11月の観測は2005年以来、5年ぶり。東京で秋(9~11月)に観測されたのは、黄砂の記録がデータベース化された1967年以降、初めて。12月では、82年に観測された例がある。同庁は洗濯物の汚れや車の運転に注意するよう呼び掛けた。  12日朝から大阪、兵庫、鳥取、島根、広島、山口、福岡、大分など各府県で見られ、午後から夜にかけて、名古屋や長野、東京、山形、新潟、仙台でも観測された。視程(水平方向で見通せる距離)は熊本、長崎、福岡、島根、下関で4キロまで落ちた。東京は10キロだった。  黄砂は、中国大陸内陸部の砂漠などに強風が吹き、舞い上がった細かい砂が偏西風で運ばれてくる現象。10日ごろにゴビ砂漠で発生した低気圧が砂を巻き上げたのが原因とみられる。