今年の台風、発生史上最少?強い太平洋高気圧一因か

 今年の台風は20日現在で14個と、気象庁が統計を始めた1951年以降最少となる可能性が出てきた。これまでの最少記録は98年の16個。夏に猛暑をもたらした強い太平洋高気圧などが、主な発生源のフィリピン近海で大気の対流活動を弱めたのが一因とみられる。  今年は統計史上初めて北陸に直接上陸した9号や、過去19年で最強の13号など、特異な台風が目立つ。  気象庁気候情報課などによると、フィリピン東海上で平年は15~16個の台風が発生するが、今年は5個前後。太平洋高気圧がフィリピン付近まで張り出したため大気の対流活動が抑えられ、台風の元となる雨雲ができにくかったとみられる。  さらに今年は異常気象の原因となるエルニーニョ現象が春まで続き、夏にラニーニャに移行。エルニーニョもフィリピン近海で大気の対流活動を弱める傾向があり、台風の少なさにつながった可能性があるという。  今年、日本に上陸した台風は、9月に福井県に「北陸初上陸」となった9号と、8月に秋田県に上陸した4号の2個(平年2.6個)で、いずれも日本海を進んだ。