宮崎・鹿児島県境にある霧島山・新燃岳の噴火で、気象庁は31日、
溶岩ドームが成長した影響で火砕流が発生する可能性が出てきたとして、火口から半径2キロとしていた入山規制を同3キロに広げたと発表した。警戒レベルは「3」を維持した。
3キロ圏内には、宮崎県小林市と高原町、鹿児島県霧島市が含まれるが、人家はない。霧島市内に温泉宿が2軒あるが、既に従業員らは避難して無人という。
宮崎県高原町が30日、約500世帯、約1100人に避難勧告を出したのを受け、31日朝までに4カ所の避難所に計約610人が避難した。ただ、鹿児島地方気象台は避難勧告について「そこまでのレベルではない」としている。
政府は31日、官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。
同気象台によると、新燃岳上空からの衛星写真を分析した結果、
27日に直径約100メートルだった溶岩ドームが、29日には約500メートルに成長したことが確認された。火砕流が発生した場合、宮崎県側では火口の東側に、鹿児島県側では南側に流れる可能性が高いという。
溶岩ドームが急成長したことについて、鹿児島地方気象台の松末伸一調査官は「小規模噴火が連続してマグマが上がってきた可能性がある」と話した。