鹿児島県・奄美大島を20日に襲った記録的豪雨。気象庁は、奄美大島付近に停滞する秋雨前線に、台風13号の周囲を流れる暖かく湿った空気が南から断続的に流れ込み、雨雲が発達したとみている。
秋雨前線と台風の取り合わせは、過去にも豪雨災害を引き起こしている。前線は22日にかけ停滞し活動が活発化する恐れがあり、警戒が必要だ。
気象庁によると、前線付近には北東から冷気が流れ込んでおり、そこに南から暖かく湿った空気が乗り上げる格好でぶつかったため上昇気流が発生、大気の状態が不安定になった。
同庁の観測では、奄美市名瀬では午後8時半までの24時間雨量がこの地点としては観測史上最多の647.0ミリを記録。10月の月間降水量平年値(238.7ミリ)の3倍近い雨が1日に降ったことになる。同庁は降り始めからの総雨量は21日にかけ、800ミリを超すとみている。
前線の停滞で、猛烈な雨が断続的に続いたのも特徴。気象レーダーなどの解析では、奄美市付近で午前11時半と午後1時、同3時ごろまでの1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は3回にわたり「記録的短時間大雨情報」を発表した。