共同通信のまとめでは、10都道県の計19万9千世帯、約52万2千人に避難指示が出た。北海道から九州にかけての太平洋側沿岸を中心にJRが運転を見合わせるなど交通機関に影響が広がった。
気象庁は、三陸地方以外の太平洋沿岸全域と日本海沿岸の一部に津波警報を、北海道のオホーツク海沿岸や中四国の瀬戸内、九州の一部沿岸などに津波注意報を出した。警報は1日午前1時過ぎまでに高知県を除きすべて注意報に切り替えた。
大津波警報が発表されたのは北海道・奥尻島が津波に襲われた1993年の北海道南西沖地震以来で、警報基準ができた52年以来4回目。
気象庁地震津波監視課の関田康雄課長は記者会見で「最初の波の後に数倍程度の大きな波が来る傾向があり、60年のチリ地震と同じだ」と指摘した。
60年のチリ地震(M9.5)では、地震発生から約22時間後に日本の太平洋沿岸を1~4メートルの津波が襲い142人が死亡・行方不明となった。
(写真は海水が流れ込み冠水した気仙沼市街=28日午後4時10分)